公開日 2023年03月06日
更新日 2023年05月05日
脱WordPressした理由は、3年前に80万円でサイトを作ったお客さんからの悲痛な相談がきっかけになった。
WordPressは、2023年2月現在CMS市場の中で、83%ものシェアのある超人気CMSです。そして、導入が簡単で、初期費用も数千円程度でできる。とにかく素晴らしいシステムであるという事は間違いないと思います。
2005年にWordPressが発表されてから徐々に利用者を増やし、現在では誰もが使うウェブシステムとしての地位を確立し、頂点かつ王道中の王道と言えるCMSに成長しました。当事務所でもほぼ10年間WordPressでサイト制作を行い、沢山のサイトを構築してきましたが、WordPressユーザーの方から、サイトが壊れた事による相談を受けることもまゝありました。
そんな中で、3年前にサイトを作ったお客さんからの相談を受け、結果的に普及できなかったことから、WordPressを使い続ける事に疑問をもち、やめる選択をするに至りました。
WordPressで最も問題となる部分は、本体やプラグイン 、デザインテーマのアップデート(バージョンアップ)作業
その方のサイトが壊れた理由は、メールフォーム プラグイン のアップデート作業。
ボタンを押した後、画面が真っ白になった。WordPressで最も多いのは、各種プラグインの更新通知 です。そのため、何も疑問を持たず更新ボタンを押してしまう事が多い!しかし、いきなり更新ボタンを押してしまうのは、ダメなんです!!
アップデートをする時には、サイトが壊れないかテストサイトで必ずチェックをしてから、公開サイトのアップデートをするのが必須になります。しかし、昨今のサイト制作予算の中では、テストサイトまで作るという事はできないことが少なくありません。このような中で、公開サイトのプラグイン を自分でアップデートして壊してしまう事は致し方がない事だったのかもしれません。
WordPress の情報量の多さも、逆にサイトを壊すきっかけになることも!
WordPressを利用するメリットの上位に来るのは”情報量の多さ”インターネットで調べてもこのようなことが述べられていると思います。しかし、本当にそうでしょうか?
なぜならば、2003年から約20年間蓄積されたインターネットの情報から、現在のWordPressで使える情報を選別して利用できるかどうか。これができるのは、WordPressについて常に調べているか、ウェブ制作の中でWordPressを真に使いこなしている人だけではないだろうか。私も含めて、一般の何の知識もない人や駆出しクリエーター、ウェブデザイナーの少なくない人たちが、今最新のWordPressの情報を選別して正確に使いこなしているかと言えば、疑問符が付くのではないだろうか?
特に、お金がかかるのが嫌だから、自分で調べて何とかしようという事を考え、サイトが致命的に壊れてしまう。そんな事例に何件も出会ってくると、「みんなが情報量が多いからメリットだよ」と言っている事自体が、デメリットに感じてくるのは私だけだろうか?
WordPressが壊れた時には、自分でいじったりせず、専門家にすぐに連絡してください。
保守を受けなければ、WordPressが壊れても自己責任が当然しかし…
たしかに、保守サービスを受けなければ、WordPressが壊れても自己責任。テレビでもDVD、ブルーレイでも、携帯でも、みんなそうですが、私は、WordPressが必ずしもそうだとは思えない。というか、思えなくなった。
私が、WordPressが破損しやすく、サイトを失った事例を話したクリエーターの一部には、『壊したからってクリエーターのせいじゃないよ』と、圧強めな語気で言ってくる人もいるのですが、私の場合、そして少なくないクリエーターは「自分で更新するならWordPressですよ」とWordPressで制作を薦めているのが現状。しかし、その中でどれくらいの人が、WordPressのリスクについて、メンテナンスの重要性について、レクチャーしているのか非常に気になります。
もともとお客さんの”ご指名”であれば、クリエーターは悪くないと言えるかもしれないけれど、制作をした人がWordPressを利用するにあたっての最低必要な知識、情報、リスクをきちんと伝えるべきだと思います。それをしていないのであれば、プロであるクリエーターに責任が全くないとは言えないと私は思います。少なくとも私自身、たくさんの人にWordPressを薦め、結果的に作り切りになってしまったお客さんもたくさんいました。ましてや、お客さんの操作だったとしても、私の手がけたサイトがWordPressのアップデートをきっかけに無くなってしまった。作り直す状況に加担してしまった事実。大金をお支払いいただき作らせていただいて、この結末は正直あり得ないと思いました。
そもそもWordPressを薦めていなければ、このような事にはならなかった。そして、WordPressを導入してもらっても、強く保守を薦めていればよかったと後悔しました。
その反省・後悔から脱WordPressへと舵を切った・・・
結局、復旧ができず、再制作もできず、ページ数も内容もダウングレード下サイトを3カ月以上もしてみる事になりこのようなことを繰り返してはいけないと考えたのでした。